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高森明勅
2020.10.30 06:00皇室

「絵画館」バーチャル案内?

東京・明治神宮外苑の中心施設は「絵画館(かいがかん)」。
明治天皇のご生涯を描いた入魂の巨大壁画(日本画・洋画40枚ずつ)
が展示してある。

正式名称は「聖徳(せいとく)記念絵画館」。
「聖徳」は一般に“君主の徳”を意味するが
(他に“非常に優れた知恵と人徳”の意味もある)、
この場合は勿論、明治天皇のお徳のこと。

歴史の教科書などで、誰もが知っている絵画の現物を、
すぐ目の前で拝観できる。
都心の一等地にあって、交通至便
(最寄り駅=JR中央・総武線「信濃町駅」より徒歩5分、
都営大江戸線「国立競技場駅」より徒歩5分、東京メトロ銀座線・半蔵門線、
都営大江戸線「青山一丁目駅」より徒歩10分)。

拝観するのに、僅か500円の施設維持協力金を納めるだけ。
にも拘らず、いつ行っても、ほとんどガラガラ。
土日祝日など、周りには家族連れやカップルなどが大勢いるのに。
どうやら、建物が余りにも立派過ぎて、一般人は中に入れないと思われているらしい。
もったいない。

皇居の東御苑(ひがしぎょえん)も、近頃は少し入苑者が増えているような気もするが、
(国内最高の日本庭園が一般に無料公開しているのに)似たような感じかも知れない。
私は以前、日本教師塾の皆さんなどと同館を訪れ、展示されている絵画を手掛かりに、
明治天皇のご生涯を解説したことがあった。

実は今年の11月3日(旧「明治節〔めいじせつ〕」=明治天皇のお誕生日)も、
高森稽古照今塾の受講生を中心に、同じような解説を行う計画があった。

ところが、世話係りが同館の事務所に事前に申し入れると、新型コロナの影響で、
多数の拝観、まして解説しながら、というのは遠慮して欲しいと言われてしまった。
仕方がないので、各自バラバラに拝観して、その後、別の会場に集まって、
プロジェクターを使って画像を映しながら解説する、
という少しヘンテコな形に変更した。

これでは実物の迫力が薄まってしまう。
残念だ。
その分を解説の熱量で補うしかないか。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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